今日の様な良き日に貴方はなぜその様な悲しそうな顔をなさっているのですか?

わかりません。

ではここにサインを。

はい?

ですから、この婚姻届けにサインをと。

わたしはあなたと一緒になる気は一切ございません。

は?だって、もう皆さんお揃いで、私たち十字架の前に立っているんですよ?

はぁ…。これはオママゴトですよ。私は認められない。

今さら何を言ってるんです。皆見ている…

そこの男と結婚したらどうです。
そこの、右の奥に座っている男です。

彼は…彼は駄目なんです。過去の人です。今は貴方を選びましたから、私。

ほら、別にわたしは構いませんよ?だって、あなたとは元々別れる気でいましたから。
あなたは、彼に未練がお有りでしょう。わかっていましたよ。

…私の何をわかっているというのです。貴方は何もわかっちゃいない。

だったら、別れるべきでは?

………ガタガタガタ

チョ、シンプナニヲ…!?

どいつもこいつも…

ちょ、幸恵、危ないって!!机、とりあえず置こ?

置いたら…私と結婚してくれる?

………いいよ。

土壇場にならないと決断できないんだね。ここまでの流れは誰がつくってあげたと思っているの?

………君は相当自分に自信がお有りのようだね。

それどういう意味?

なんでもないけどただ…俺が本気だとは思わなかったの?
結婚したくないって。

結婚したくないの?

……だって君は本当は僕みたいな奴望んでいなかっただろ?

望んでいるかいないかはこの際関係ないの。

やっぱり…

私だって貴方がそんなにまで消極的なら無理強いはしたくないわ。

うん……じゃあ、

スミマセン、ジカンガオシテルンデ、ハヤクシテクダサイ。

ううううううううう〜〜〜〜む

結婚します。






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